慢性便秘症

2017年に発刊された、国内初となる「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来体外に排出するべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。

有病率は、50歳以下は、女性比率が高いですが、男女とも加齢とともに有病率は増加し、70歳以降になると男性の比率

が増え性差が無くなる傾向にあります。

慢性便秘は

  • 原因から器質性・機能性
  • 症状から排便回数減少型・排便困難型
  • 病態から大腸通過正常型・大腸通過遅延型・便排出障害

に分類されます。
薬剤や神経筋疾患など他の病気の有無も考慮する必要があります。

慢性便秘の診断基準

  • 「便秘症」の診断基準
    以下の6項目のうち、2項目以上を満たす
    • 排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある。
    • 排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便
      (BSFSでタイプ1か2)である。
    • 排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる。
    • 排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある。
    • 排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である
      (摘便・会陰部圧迫など)。
    • 自発的な排便回数が、週に3回未満である。
  • 「慢性」の診断基準
    6か月以上前から症状があり、最近3か月間は上記の基準を満たしていること

便秘の訴えで受診された方には、問診(症状、併存疾患、既往歴、家族歴、内服薬、生活習慣など)、腹部の診察、血液検査、腹部X線検査、腹部超音波検査、大腸内視鏡検査を状況に応じて行い、原因となる疾患や薬剤の有無、病型の診断を行います。

治療は生活習慣の改善、乳酸菌などのプロバイオティクス、症状や必要性に応じた内服薬を使用することです。

慢性便秘症【辻医院】北九州市門司区 慢性便秘症の治療について