潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は炎症が直腸側から連続性にひろがり、しばしばびらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸炎です。経過中に再燃と寛解を繰り返すことが多く、炎症が広範囲かつ長期間続く場合には癌化の傾向があります。
遺伝的な素因に食餌や感染などの環境因子が関与して、腸管免疫や腸管内細菌叢の異常をきたして発症すると考えられていますが、原因は解明されていません。若年で発症し、腹痛、下痢、血便などの症状を呈し、再燃と寛解を繰り返しながら慢性に持続するため、日常のQOLは低下することが多く、また、関節、皮膚、眼など全身に腸管外合併症をきたすこともあります。
持続性、反復性の血性下痢があり、腹痛や頻回の便意を伴う場合は、潰瘍性大腸炎が疑われます。
血液検査、便の細菌学的検査、大腸内視鏡検査を行い、確定診断、病期、病変範囲や重症度の評価を行います。
病変範囲や重症度に応じ、内服、座薬、注腸、注射による薬剤投与を行い、改善度に合わせ、適宜追加、減量、変更を行っていきます。
(炎症性腸疾患診療ガイドライン2016より引用)
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